パンダコラム|企業活動における「エンパワーメント」について考える。

エンパワーメントという言葉をご存知だろうか。エンパワーメント(empowerment)とは、「権限を与えること」「自信を与えること」「力を付けてやること」などの意味を持っているが、ビジネスの場で用いられる場合は、「自立性促進」「権限委譲」「能力開花」などといった意味になる。
今回は、企業活動におけるエンパワーメントの概念、エンパワーメントを進めるメリット・デメリットについて考えてみた。

 

エンパワーメントとは?

エンパワーメントは、社会や組織を構成する一人ひとりが力をつけ、抑圧されることなく自らで意思決定することによって力をつけ、自発的に行動を起こしていこうとする考え方のことをいいます。自分だけでなく、自分を取り巻く環境をコントロールできるように成長を促すことを目指します。

もともとこのエンパワーメントの概念は、ブラジルの教育思想家である、パウロ・フレイレの提唱により、先住民運動や市民運の公民権運動で提唱された考え方です。1980年代の女性の権利獲得運動を経て広がっていきました。その後エンパワーメントの考え方は世界中で注目されるようになり、近年の日本においても重要視されています。

企業活動におけるエンパワーメントの意味

エンパワーメントが企業活動で使われる場合は、組織としてのパフォーマンスを最大化するために現場に権限を与えて、社員の自主的・自立的な行動を引き出す支援活動のことを指します。エンパワーメントを活用することで、個人や集団が本来持つ能力や才能を引き出し、生産性と社員満足度の両方を高めていきます。

エンパワーメントを進めるメリット

■業務スピードや生産性が向上する
エンパワーメントによって部下に権限が与えられていれば、指示を待つことなく現場判断で対応することが可能になり、意思決定に至るまでの時間が短縮され、問題解決に素早く対応することができます。

■顧客満足度の向上につながる
店舗などの現場で問題が生じたとき、解決に時間がかかる場合とその場ですぐに対応して解決するのでは顧客に与える影響に大きく差が出ます。顧客の要望に迅速かつ柔軟に対応することで顧客満足の向上につながります。

■自ら考え、判断し、行動できる人材の育成ができる
社員が権限を与えられ自ら決定することは大きな責任が生じます。物事を自発的に考えざるを得ない状況になるため当事者意識を持って仕事に取り組むことができるようになります。今まで「指示」として受け取っていた内容の奥にある目的や背景をより深く理解できる人材の育成につながります。

■本来持つ能力の発揮
社員に仕事に対する裁量を与え、リーダーシップを発揮できるように支援することで潜在能力を引き出します。またこのような考え方が組織全体に広がることで個人の能力が発揮されやすい職場環境を整えることが可能になります。

エンパワーメントを進めるデメリット

■組織の方向性や目的にずれが生じるリスクがある
エンパワーメントは、個々の意思決定による行動を推奨する仕組みです。ただ、権限を与えられたからといって個人が好き勝手に判断してよいという訳ではありません。もし、それぞれの考えるバラバラな基準で物事を判断してしまえば、組織の一体感や目標が失われ様々な弊害が発生してしまいます。
安定したサービスを提供できなかった場合には顧客からクレームが生じる、というケースも起こりえます。
また会社の方針を理解してそれに基づいて動く部署と、そうではなく好き勝手に動く部署が出てしまうと、お互いを理解できず衝突してしまうかもしれません。
このような事態を防ぐためには、仕事に対する考え方・ノウハウを共有するしくみづくりや個人の裁量で行動できる基準の設定が必要になります。

■エンパワーメントに向かない部下も存在する
自分で意思決定をして仕事を進めることが得意な従業員ばかりではありません。
そういった人に対して必要以上に権限を委譲してしまえば、精神的に大きなプレッシャーとなってしまったり、業務過多になってしまうことも。業務効率を向上させるどころか、逆に低下させてしまう事態になってしまいます。
エンパワーメントを効果的なものにするためにも、社員の性質を見極める過程が必須です。

エンパワーメントのまとめ

エンパワーメントによって、社員一人ひとりが自分で考え行動できれば、組織全体を押し上げる力となるでしょう。
しかし、エンパワーメントは万能ではありません。失敗を恐れず新しいことに挑戦できる風土があってこそ、エンパワーメントを企業に定着させることが可能になります。

企業組織を成長させるためには、社員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる環境づくりや生産性の向上が必要不可欠です。エンパワーメントを上手に活用して、自立的で強い組織を作っていく方法を検討してみてはいかがでしょうか。

パンダコラム

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