企業でストレスチェックを実施する意義について考える

2015年12月、労働安全衛生法が改正され、50人以上の労働者がいる企業に対してストレスチェックが義務付けられた。開始から4年が経ったが、厚生労働省が発表した調査によると2018年度は対象企業・事業所の90.9%で制度が活用されている。しかし、義務化されたからやっているが、「そもそも、なぜやるのか?」という理解は進んでいるのだろうか?そこで、今回は改めて、ストレスチェック制度が生まれた背景やその目的、実施時の注意点等について考えてみた。

 

ストレスチェック制度とは

ストレスチェック制度は、労働安全衛生法第66条の10に基づき、2015年12月から、労働者のストレスチェック(心理的な負担の程度を把握するための検査)と、医師によるストレスチェックの結果に基づいた面接指導の実施等を事業者に対し義務付ける制度です。50名以上の労働者を抱える事業場では、すべての労働者に対して年1回の実施が義務付けられています。なお、労働者数が50名未満の事業場については当面の間、ストレスチェックと医師による面談指導は努力義務となっています。

 

ストレスチェック制度が生まれた背景

ストレスチェック制度が義務化された背景としては、過労自殺の労災認定から始まり、国際社会からみた日本の自殺率の高さ、および働き盛りの年代での自殺が多いという現状、さらに精神障害等による労災認定件数の増加があります。厚生労働省は、かねてより職場におけるメンタルヘルスケアの実施を推進してきましたが、仕事によるストレスが原因でメンタル不調を訴える労働者は年々増加傾向にあります。2018年には精神障害の労災請求件数は1800件を超えました。職業生活で強い不安やストレスを感じている労働者の割合が高い状況で推移しているという近年の状況があります。

 

ストレスチェック制度の目的

ストレスチェック制度の最大の目的は、労働者のメンタルヘルスの不調を未然に防止することです。労働者のストレスの程度を把握し、ストレスの原因となる職場環境の改善につなげて働きやすい職場づくりを進めることによって、メンタルヘルスの不調を未然に防止することができると考えられています。また、検査結果を労働者にフィードバックすることで、労働者自身のストレスへの気付きを促します。

 

ストレスチェックの実施

ストレスチェックの簡単な流れを以下に説明します。

■導入準備
・導入準備として社内担当者が実施方法の作成を行う
・労働者に対してストレスチェックの方法を説明

■実施
・ストレスチェック対象者が質問票への記入を行う
・ストレスチェック実施者(※)が質問票の分析や評価を行う
・検査結果が出たら、実施者または実施事務従事者は結果を本人に通知する
・選任された医師による面接指導
・事業者は、労働基準監督署にストレスチェックの結果報告をする

(※)医師、保健師、厚生労働大臣の定める研修を受けた看護師・精神保健福祉士

 

ストレスチェック実施時の注意点

ストレスチェック実施時は2つのポイントに注意する必要があります。

■プライバシーは保護する
実施者や実施事務従事者には守秘義務が課せられる。違反者には罰則が科せられるので注意が必要。

■不利益な取り扱いは禁止
ストレスチェック制度はあくまでも、労働者の精神的健康を保持するための取り組みであり、労働者の意に反して労働者が人事上の不利益を被ることは禁止されている。

まとめ

法律で義務付けられたことがきっかけで、ストレスチェックを始めた企業が多いと思いますが、ストレスチェックは職場の思わぬ課題を浮き彫りにしてくれます。制度が生まれた背景やストレスチェックを実施する意義を今一度理解して、職場環境の改善に取り組んでみませんか。

<広告>

人事や助成金・コンサルティングに関する記事を

コンサルタントチームがコラムにしています。

お楽しみに!

■お問合せ先|株式会社セイシン総研 TEL:092-717-5260
住所:福岡市中央区天神1-9-17 福岡天神フコク生命ビル5F