パンダコラム|「ゆでがえる理論」について考える。

最近、ビジネスシーンできくようになった「ゆでガエル理論」。これは、 熱いお湯にカエルを入れると驚いて飛び跳ねるが、常温の水にいれ、徐々に熱していくとその水温に慣れていき、熱湯になったときには、もはや跳躍する力を失い飛び上がることができずにゆで上がってしまうというもの。今回は経営やビジネスにおける「ゆでガエル理論」について考えてみた。

ゆでがえる理論とは?

もともと「ゆでガエル理論」は、寓話として最初に用いたのは、1960年代ごろに活躍したアメリカの思想家で文化人類学者、精神医学者のグレゴリー・ベイトソンだといわれています。日本でも、経営学者の桑田耕太郎と社会心理学者の田尾雅夫による98年の共著『組織論』が「ベイトソンのゆでガエル寓話」として紹介され取り上げられるようになりました。

特にビジネスにおいて、急激な変化に危機意識が働くのに対し、変化が緩慢だとそれに慣れ過ぎて、対応するタイミングを逸しやすい。危機を認識したときには致命的なダメージを負っているという「ゆでガエル」の比喩が、人間の思考や行動の本質を鋭く突いているからなのでしょう。この誰にでも思い当たる比喩した表現が広まった理由かもしれません。

ゆでがえる世代とは?

日経ビジネス社が2016年8月8・15日合併号の特集「どうした50代!君たちはゆでガエルだ」で「ゆでガエル世代」と名付けました。

50代男性がゆでガエル世代と呼ばれる理由は、どんなところにあるのでしょうか。50代男性は高度成長期の豊かな時代に子ども時代を過ごし、大人になってからもバブル期に就職して右肩上がりの経済成長の中で定年まで順調にいけると信じていた世代です。しかし、その後バブル崩壊、リーマンショックと失われた20年で、雇用環境も激変してしまいました。また、仕事環境も技術の発達と共にがらりと変わり、定年まで後少しというところで雇用制度は変わってしまい、このまま安泰に定年を迎えることは厳しい状況になりました。

昨今の環境の変化に対応するため、経営陣の若返りや、多くの企業では定年前の50代半ば頃を役職定年としており、自ら専門能力や技術を高めようとしなかった社員は役職を奪われた後はただの平社員となってしまいます。「このままではいけない」と思いながらも、ぬるま湯に入って変わろうとしなかったツケが今きているのです。

ゆでがえる世代の仕事とは?

こうしたゆでガエル世代に対して、会社や人事はどのような支援をしていけばいいでしょうか。まず、長年の仕事で培った「経験」を活かした仕事を提供し、またそのノウハウを若い社員に引き継げるような環境を用意することが望ましいです。クレーム対応や顧客対応などは、業務経験にプラスして人生経験の深みを活かせる業務です。

定年退職後を見据えた50代からのキャリアデザインを自ら描けるよう、人事研修や通信教育など学習の場を提供することも必要になってくるでしょう。人事部は、ゆでガエル世代をお荷物にせず、適材適所でもう一度活躍の場をつくることが必要です。

パンダコラム

人事や助成金・コンサルティングに関する記事を

コンサルタントチームが毎週コラムにします。

お楽しみに!

■お問合せ先|株式会社セイシン総研 TEL:092-717-5260
住所:福岡市中央区天神1-9-17 福岡天神フコク生命ビル5F